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「青空文庫」ってご存じでしょうか?
インターネット上で、小説等の文芸作品のテキストを公開していて、誰でも自由に読むことができます。
ウェブサイトには、以下のように説明されています。
青空文庫は、誰にでもアクセスできる自由な電子本を、図書館のようにインターネット上に集めようとする活動です。
著作権の消滅した作品と、「自由に読んでもらってかまわない」とされたものを、テキストとXHTML(一部はHTML)形式に電子化した上で揃えています。
作品は、誰かが書いたものですから、その作者が著作権を持っており、作者に無断でネット公開することは、通常は許されません。
それなのに、なぜこのようなことができるのかというと、
・著作権には期限があって、その期間を経過したから
・作者が、「掲載してもいいよ」と言ったから
という理由です。
著作権が守られる期間(保護期間といいます)を経過すると、「パブリック・ドメイン」と呼ばれ、公共の財産として扱われて、誰でもコピーしたり配付したりすることが自由にできるようになります。
作者に断らなくてもよいのです。
この仕組みによって、過去の作品が、無料で、読めるようになっているのです。
さらに、読むだけでなく、この作品を営利目的で出版することも可能ですので、作品の利用範囲が広がっています。
青空文庫がなければ現代の人々の目にほとんど触れることがなかった、青空文庫のおかげで多くの人に読まれるようになった、という作品も、きっと、たくさんあります。
そのような作品の普及に、大いに貢献している活動だと思っています。
この保護期間が、TPPによって延長されそうだというニュースは、先日このブログに書きました。
ちょっと心配ではあります。
ところで、著作権の保護期間が切れたら、誰でも自由にできることが多いのですが、たとえ期間経過後でも、やってはならないこともあります。
それは、あまりにも大きな改変等です。
細かいことは省きますが、その作品の重要な部分を改変することは「著作者人格権」によって禁じられています。
「著作者人格権」自体は本人の死亡によって消滅しますが、たとえ本人が亡くなった後でも、やってはいけないよ、ということが、著作権法によって定められているのです。
特に注意すべきは、以下の条文です。
(著作者が存しなくなつた後における人格的利益の保護)
第六十条 著作物を公衆に提供し、又は提示する者は、その著作物の著作者が存しなくなつた後においても、著作者が存しているとしたならばその著作者人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該著作者の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。(実演家の死後における人格的利益の保護)
第百一条の三 実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。(著作者又は実演家の死後における人格的利益の保護のための措置)
第百十六条 著作者又は実演家の死後においては、その遺族(死亡した著作者又は実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。以下この条において同じ。)は、当該著作者又は実演家について第六十条又は第百一条の三の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第百十二条の請求を、故意又は過失により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為又は第六十条若しくは第百一条の三の規定に違反する行為をした者に対し前条の請求をすることができる。
世の中で「パブリック・ドメイン」という言葉は、本当に何でもやっていい作品なんだと考えている人もいますが、必ずしもそうとは言えませんので、注意していただきたいと思います。
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